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8月15日のYouTuber「ひかる」の「VALU騒動」についてのまとめ!インサイダー取引か?

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個人が上場企業のように株式を公開し資金調達できるサービス「VALU」。

5月31日のサービス開始以来、ネットリテラシーの高いIT関係者やブロガーを中心に流行り、影響力の強い人の中には巨額資金を調達した人も出てきました。

これまで、比較的安定してサービスが稼働し大きなトラブル等は見受けられなかったものの、twitterフォロワー数115万人、YouTube登録者数270万人という圧倒的な知名度を誇る「YouTuberヒカルさん」のVALUでのとある行動が物議を醸しています。

※VALUのサービスについての分かりやすい説明はこちらにまとめているので、ぜひ一度目を通してみてください。

YouTuberヒカルの8月15日のVALU取引

YouTuberヒカル(敬称略)が8月に入りVALUを始めると、その圧倒的知名度とファンの多さから、発行した株式(VA)は連日上昇していました。

そして、8月15日にヒカルがVALUで行ったことは以下の通りです。

1.14日に「明日一気にVALUで動く!」とtweet

2.(優待を期待した投資家から)買い注文が殺到

3.(高値で)ヒカルVAの筆頭株主だったNextStage(ネクストステージ)社の井川氏がヒカルVAを全て売却し100万円以上の利益確定

4.ヒカルが手持ちのVAを全て売りに出す

5.価格が暴落

これによりどうなったかというと、井川氏はストップ高で自身が保有するヒカルVAを売却できたので利益を確定しました。

一方、それまでヒカルVAを保有していた多くの投資家(支援者)はヒカルが突如、発行できる5万VAのうち残り約4,8万VA全てをストップ高の値段から大幅に低い価格で大量放出したために価格が暴落、損失を抱え売れに売れないという状態になっています。

ネクストステージ井川氏の取引はインサイダーの可能性

この一連の行動で最も不正が疑われ問題となっているのは「3」の井川氏のヒカルVA売却についてです。

ネクストステージ社はヒカルら人気YouTuberが所属する事務所で、井川氏はこの会社の顧問を務めています。

つまり、ヒカルと井川氏が事前に示し合わせて「優待を期待させるツイートを流し価格を上げ」→「価格が上がったところで井川氏が高値で売却」としたのでは?という疑念が生じます。

同じネクストステージ社に所属するYouTuberラファエルさん、禁断ボーイズさんにおいても同様の事象が発生、同じ事務所に所属している人が同じ行動を取っているため何らかの意図があって示し合わせたのは間違いなさそうです。

なお、実際の証券市場ではこのような株式発行者の関係者が事前に知った重要事項を基に株式を売買した場合、「インサイダー取引」に該当し厳しく罰せられます。

証券会社、証券取引所、金融庁はシステム上でインサイダー取引を厳しく細かく監視し、何か不正の疑いがあればすぐ調査が入り、株式取引ではばれずにインサイダー取引で利益を上げるのはほぼ不可能です。

このあたりのインサイダーや不適切な情報開示は株式会社VALU側も想定していなかったようで、今後しっかりとしたルール決めが必要でしょう。

ヒカルは今後どうするか?

ヒカルはこの一連の取引の後に「今回の件についてはは近いうちにお話しします。」とVALU内でのコメント欄に書き込みをしています。

その一つ前のコメントでは「VALUでお金儲けをしようとする人が減ればいい」と話しており、VALUで金儲けをする人に鉄槌を喰らわすという意図があったのかもしれません。

ヒカルやその関係者は恐らく実際の株式取引の経験・知識が乏しく、事の重要性を理解しておらず、単に正義感でもって事を行ったかもしれませんが、今回損失を抱えた人の中には純粋なヒカル支援者もいたはずです。

今後ヒカルのYouTubeチャンネルで真相が語られるのでその内容を待ちましょう。

皮肉なことにこの騒動が起こる前に麻生副総理がVALUについて「消費者保護と新しいものを育てることの両方を考える必要がある」と語っていました。

このコメントからは、投資者を守る仕組みを整えつつ、ベンチャー企業が発展する土壌も育て、双方にとって有益となる健全なマーケットとしたいという意図が感じられます。

ちなみにVALUはまだ「ベータ版」で正式なリリースではありません。

今後これらの課題に対処し、投資家保護の仕組みをしっかりと構築することが、サービスの拡大には欠かせないでしょう。

ヒカルのVALU騒動のその後はこちら↓