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日本企業が貯めている資金は400兆円超え!これがデフレから脱却できない原因か!?

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政府は2016年度の法人に関する統計を発表、日本企業の利益剰余金(内部留保)は406兆円に達し、前年度から28兆円増えて5年連続で過去最高を記録しました。

企業は儲かっても従業員の給料や将来に向けての設備投資にはお金を回さずに企業内に留めたまま。

個人も同様に銀行にお金を預けたままで一向に消費が回復せず、政府が目標としているデフレ脱却もほど遠い状況が続いています。

「内部留保」とは?

内部留保とは一言で表すと「企業が社内で蓄えているお金」です。個人の預貯金と考えると分かりやすいかもしれません。

企業が物を売ったりサービスを提供した売上高から、原材料のコスト、給料等の人件費、設備投資、研究開発費、税金等の費用を引いた金額がプラスであれば「黒字」となり、その黒字の積み重ねが内部留保(利益剰余金)となるのです。

「お金がたくさんあるのはいいことではないの?」と思う方もいるかもしれません。

確かに保有している資金が多いほど企業の経営は安定しますが、一般的に企業は持続的に成長することが求められ、成長するために資金を有効活用できていないとも判断されるのです。

また、日本の企業は欧米企業よりもリスクをとらず社内でお金を貯め、さらに株主へ配当金も少ない傾向があります

企業の経営者からすると、将来の事業は不確定で日本の成長率は低い。さらに今後退職者が増え支払う年金などのコストも増大、欧米の政治は混迷、中国の成長率は落ちているから。。

と考えるのも分かりますが、これではいつまでたっても消費が回復しないことは明白です。

勢いのある新興のIT企業に期待したいところですが、日本においては電気、自動車、重工業などの昔からある大企業の影響力が強く、これらの会社は保守的な会社が多いのです。

アメリカのGoogleやFacebookなど、政治や社会に大きな影響を及ぼす革新的なIT企業が日本からも誕生すると良いのですが。。

企業は社員や株主への還元を積極的に!

こうした状況を受け、与党自民党は再三にわたって企業に「内部留保を賃金UPや設備投資に使って!」とお願いをしていますが、企業側は変わらずのまま。

アベノミクスで株価は上昇、為替も居心地のいい円安水準で推移、各種指標もいい数字が出て、数字上は景気回復が続いていますが、実感が乏しいのは膨大な内部留保が眠っていることも理由の一つとなっています。

政治家の一部には「内部留保に課税をすべき!」と企業に圧力をかけている人もいますが、政府としても企業の協力を得ない事には経済再生もままならず、このような乱暴な手法では実現のハードルは高いでしょう。

一方、企業が積極的にお金を使っているのはM&Aなどの海外投資。海外の企業を買収したり、工場を移転したりと、積極的に海外へ進出しています。

しかし、これらの効果が出るのは早くても数年後で、工場や人が日本から出てしまうことで国内の産業が空洞化するという問題も抱えています。

企業に求められていることは2点。従業員の賃金アップ(できなければボーナス増)と株主へのリターンを増やすことです。

日本の保守的な守りの姿勢から、社員や株主に多く還元するという企業文化の変革が求められています。