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「ドリーマー」たちの夢を阻害するトランプ大統領。不法移民の子どもを一律に強制送還するのは愚の骨頂です。

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アメリカのトランプ大統領は、オバマ前大統領が導入した「DACA(移民救済制度)」を撤廃すると発表しました。

DACAとは、親などと一緒に16歳までにアメリカに来た不法移民の子供が、重大犯罪などで有罪とならない限り、滞在資格を得られる制度で、現在は約80万人いるとされています。

彼らを総称してアメリカでは「ドリーマー(Dreamer)」と呼ばれており、多くがメキシコやグアテマラなど中南米から来ています。

DACAの撤廃実施は2018年3月以降で、撤廃が実施されるとドリーマーたちは国外追放処分となり、アメリカから追いやられることになります。

DACA撤廃に民主党、経営者、州知事らが猛反発

今回のトランプ大統領の決定に対しては野党の民主党だけでなく、経営者も猛反発しています。

Facebookマーク・ザッカーバーグCEO「我々の国にとって悲しい日となった。議会は今こそ立法措置を講じドリーマーたちに市民権獲得の道筋を敷く時だ」

Appleティム・クックCEO「ドリーマーたちの恒久的な保護に向けた立法措置がなされるよう、議会に呼びかけていく」

Googleスンダル・ピチャイCEO「ドリーマーたちは隣人であり友人であり同僚だ。ここは彼らの母国だ」

Microsoftブラッド・スミス社長「もし我々の下で働くドリーマーたちが法廷に呼ばれれば、我々は彼らの側に立つ」

これらのIT系の大企業ではドリーマー達が多く働き、経営者はみなドリーマー側に立って今回の決定を批判しています。

またアメリカの16州の司法長官がトランプ大統領と政権に対して撤回を求める訴訟を起こし、全米各地で大規模な抗議デモが起こるなどアメリカが揺れています。

ドリーマー達のアイディンティティはアメリカに

与党共和党は「ほとんどのドリーマー達はアメリカ以外のふるさとを持たず、(今回の決定内容について)妥協点を探る必要がある。」とし、強制送還以外の方法も探るとしています。

確かに法を犯して国境を越え、滞在資格がないにも関わらずアメリカで働き続けた不法移民1世たちの行為は非難されるべきですが、彼らがアメリカの白人が働きたがらない低賃金での労働力を補っているのは事実です。

彼らの中には麻薬取引に関わっている者やギャングとして裏社会に巣食っている者もいるのも事実で、そういう犯罪者に対しては厳しい措置が講ぜられるべきですが、ほとんどは真面目に働き税金も納めている人ばかり。

ましてや、移民1世の子供たちには何の罪もなく、彼らはアメリカで育ち、英語を話し、アメリカの学校を卒業したアメリカ人。

そのような人達に対して、まるで機械作業のように一律で強制送還をするような対応は非難されて当然です。

一人一人の納税履歴や犯罪歴、家族構成などから判断し、特に問題がなければ逆に市民権を与えるべきだと思います。

トランプ大統領は就任後、議会などの反発を受けて選挙前の公約が次々に頓挫、共和党の支持層からも見放されつつあり、保守層を意識しての対応との見方があります。

今回も各方面から大きな反発を受けており、最終的にはDACAを撤回することなく、ドリーマーたちが引き続きアメリカにとどまることができる方向に進むことになるでしょう。