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企業がお金を貸りてくれない?銀行の預貸率は66.9%、8年連続で低下へ。

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「預貸率」という言葉を聞いたことはありますか?

この預貸率は銀行などの金融機関が顧客から預かった預金のうち、どのくらいの比率で企業等に貸し出しているかという比率のことです。

2016年3月時点の日本の金融機関の預貸率は「66.9%」となり、8年連続で低下、2,000年以降では最低となりました。

預貸率が低下し、お金が回らない日本

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この表の通り預貸率(赤線)は下落、一方預貸ギャップ(預かりと貸し出しの差)は拡大しています。

1兆円の預金に対し8,000億円を企業に貸し出した場合の預貸率は80%となります。

預貸率が100%を下回り、金融機関にとどまっているお金については預金者へ利息だけを支払うことになるため、国債などで運用することになりますが、現在は低金利で国債の運用での収益は僅かで銀行の体力を減らすことにも繋がります。

金融機関の主な業務はお金が余っているところ(個人の余剰資産)からお金を欲しているところ(企業の運転資金)へお金をの橋渡しを行うことです。

つまり、人間の体でいうと血液を送り出す心臓のような重要な役割を果たしており、その心臓の動きが悪くなると体調が悪くなるなど、人の活動に影響を及ぼすこともあります。

まさに今の日本経済を象徴するような状況にあり、金融機関も頭を悩ませているのです。

なお、地方銀行などの地元企業に密着して営業支援を行っている銀行は預貸率が上昇している一方、預かり残高の多い大手の銀行の預貸率が下がり、全体の率を下げているという状況です。

「企業がお金を借りないことは事業がうまく回っているからいいことでは?」と思う方もいると思います。

確かに個別企業のことだけを考えるとその通りとなりますが、多くの企業は事業と利益を拡大して、会社をより大きく、成長させたいと思っているはず。

そのためには設備投資や人材獲得のための資金需要が高まるはずで、企業がお金を借りて会社を成長させてとなることで、関連会社の業績にもプラスに作用し地域の経済が活性化するのです。

また、少子高齢化や人材不足問題が多くの中小企業のオーナーの課題となっており、会社を継ぐ子供や人材がおらず会社を畳むケースが発生、さらに新たに起業をする若い世代が減少しているのも気になるところです。

大手銀行にはもっと営業に汗をかいて企業の掘り起こしに精を出して欲しいところですが、特に起業精神に溢れ有能な技術を持っている会社によりお金が回るような制度や仕組みが求められています。