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株価が下がるのが怖い?政府(日銀)のETF、REIT、個別株買いが進み、官製相場による反動が懸念されています。

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以前、小泉元総理や安倍総理が野菜のカブを手に持って「カブよ上がれ〜!」とメディア向けにパフォーマンスをした事がありました。

国の根幹を成すのは経済で、時の政権にとっては日経平均株価は支持率にも直結する大事な指標、株価は高いにこしたことはありません。

そのためか、ここのところ日銀が株価が急落するタイミングでETFやJ-REITを通じて、株価を下支えするケースが増えており、年間の投資金額も6兆円にまで拡大しています。

ETFやREIT、個別企業まで実は大株主の政府(日銀)

日銀の株式保有比率が高い上場企業ランキング

  • 6857 アドバンテスト(16.6%)
  • 9983 ファーストリテイリング(15%)
  • 6976 太陽誘電(14.1%)
  • 6762 TDK(13.5%)
  • 8028 ユニー・ファミリーマートHD(13.4%)
  • 5707 東邦亜鉛(12.9%)
  • 4704 トレンドマイクロ(12.4%)
  • 1721 コムシスHD(12.1%)
  • 9766 コナミHD(11.8%)
  • 4021 日産化学(11.5%)

この通り、日銀はユニクロを展開するファーストリテイリングの株式を15%も保有するなど、一企業の大株主になっています。

さらにJ-REITでは、

  • 8951 日本ビルファンド
  • 8952 ジャパンリアルエステイト
  • 3462 野村不動産マスターファンド

これら時価総額6,000億円を超える大型J-REITでも5%以上の株を保有、J-REIT全59銘柄のうち20%において、日銀の保有率は5%を超えています。

日銀が株を買う事については、「株価を下支えする」「個人投資家が追随、投資の呼び水に」「(口を出さない日銀は)企業にとっては大歓迎」といったメリットもあります。

しかし、いつかは保有した株を売却する必要があるため、その時の反動は買った時よりも大きくなることが想定され、また市場の需給に歪みを生じさせるなど、弊害の方が大きいとされています。

投資をしている金額は17兆円を超え、市場での存在感は増すばかり。

日銀は消費者物価上昇率2%を達成し(現在は0.4%)、デフレから脱却するまで株式投資を続けるとしていますが、現状は2%の目標の見通しは全く立っておらず、出口戦略が描けない状況にあります。

貯蓄に偏重している個人資産を投資に回すため、NISAやつみたてNISAなど新たな制度を作るのには賛成ですが、平時において国は余計な事はしない方がよいでしょう。

償還される国債などで運用するのは分かりますが、市場でいずれ売る必要がある上場株での運用は慎重になるべきです。