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スペインの「カタルーニャ独立運動」問題について。歴史的背景と今回の住民投票についてまとめました。

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「スペイン」といえば、サグラダ・ファミリアやアルハンブラ宮殿などの世界遺産、レアル・マドリード、FCバルセロナなどのプロサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ」を思い浮かべます。

地中海に面した温暖な気候で食べ物も美味しく、旅行で一度は訪れたいと思っている方も多いでしょう。

そのスペインが「カタルーニャ独立問題」で大きく揺れています。その歴史的背景と現状に迫りたいと思います。

スペインの「カタルーニャ州」について

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カタルーニャ州はスペイン北東部、フランスに接する地域で州都バルセロナにはサグラダ・ファミリアがあることで知られ、最近では楽天がFCバルセロナのメインスポンサーとなり、257億円の契約を結んだことが話題となりました。

以下がカタルーニャ州の基本情報です。

  • 州都 バルセロナ
  • 面積 32,000km2(スペイン全土の6.4%)
  • 人口 750万人(スペイン全土の16%)
  • 経済 1,997億ユーロ(スペイン全体の20%)

カタルーニャ州の面積は小さいものの、人口が多く、経済規模は全体の2割も占めるなど、スペインの中でも裕福な地域となっています。

住民が勤勉であることに加えて、フランスをはじめとするヨーロッパやアフリカ、中近東へのアクセスが良いため多くの外国企業が進出し、カタルーニャにお金を落としているのです。

カタルーニャ独立問題の歴史的背景と住民投票

カタルーニャ地方は元々、独自の文化や言語(カタルーニャ語)を持っており、スペインの中でも民族意識が強い地域です。

1936年に起きたスペイン内戦で勝利したフランコはカタルーニャの言語や自治政府を廃止するなど徹底的に弾圧を行いました。

その後、徐々に外国企業を誘致し移民を受け入れ、さらに観光業などにより経済状況が好転、1992年にはバルセロナで夏季オリンピックを開催し大成功を収めるまで発展しました。

しかし、裕福な地域であることからスペイン中央政府に納める税金が多く、一方地元に還元される金額が少ないことが住民の不満に。

本来の民族意識に加えて、中央政府に搾取されているという不満が高まり、2010年にはバルセロナ中心部に110万人を動員した「カタルーニャ自治抗議デモ」が開催されるなど、独立に向けての運動が激しくなりました。

さらに2012年に不動産バブルが弾けてスペイン経済危機が発生し、失業率が20%を超えるまで経済状況が悪化すると、スペイン中央政府はさらなる緊縮策を導入します。

するとカタルーニャ州では「我慢ならない!独立すべきだ!」と主張する人が大多数となり、中央政府とカタルーニャ州の対立は決定的になったのです。

そして2017年10月1日、カタルーニャ自治州政府は中央政府の妨害などを受けながらも独立の賛否を問う住民投票を実施し、90%以上が賛成票を投じる結果となりました。

スペイン中央政府は憲法違反との立場でカタルーニャの住民投票は無効としており、独立を認める可能性はありませんが、今後も混乱が続くことは必至です。

さらに同じようにスペイン内で独立を伺うバスク地方やイギリスのスコットランドにも飛び火する可能性があり、ヨーロッパだけでなく世界から混乱の拡大が懸念されています。