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「IPO(新規株式公開)」と「ICO(新規仮想通貨公開)」の違いとは?

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同じ資金調達の方法でも「IPO(新規株式公開)」と「ICO(新規仮想通貨公開)」とでは国によって対応が異なり、中国や韓国ではICOを全面的に禁止するなど、ICOを厄介者として扱う国もあります。

日本においては今の所規制等はありませんが、これを逆手に取りICOに絡めて投資詐欺を働く者も出てきました。

ここでは「IPO」を改めて復習するとともに、最近話題になることが多い「ICO」についても知識を深めましょう。

「IPO(新規株式公開)」について

ICOの前にIPOについてです。

IPOとは「Initial Public Offering(新規株式公開)」の略で、企業が取引所に自社の株式を「上場」させ、一般の投資家にも株式を公開し、自由に株式を取引をしてもらうことを意味します。

最近では家計簿アプリを提供する「マネーフォワード(3994)」やビジネスSNSサービスを手掛ける「ウォンテッドリー(3991)」が東証に上場(IPO)し話題となりました。

2017年9月にIPOを行った企業の公開価格と初値をこちらにまとめているので、ぜひ参照してみてください。

これらのIPOを果たした企業にとってのメリットは、ビジネス拡大のために資金調達できる、上場企業としての信用力が得られる、会社の知名度が上がる、優秀な人材を確保できるといった点が挙げられます。

また、ビジネスを1から立ち上げた会社の経営幹部は上場後に、自分が保有している株式を市場で売却することにより、多額の売却益を得ることができるため、非常に夢のある話ともいえます。

ソフトバンク(9984)の孫正義社長やスタートトゥデイ(3092)前澤友作社長は会社を上場させ、その後もビジネスが拡大、会社も大きくなり莫大な資産を築いています。

上場企業としてはIPO後は株主から厳しいチェックを受けながら業績の拡大と株価を上げることが求められ、さらに定期的に決算報告を公表するなど事務的負担が大きいものの、それに見合った信用力と資金が得られるのです。

なお、IPOを行うためには取引所が定めた非常に厳しい基準を満たし、審査などをクリアする必要があります。

「ICO(新規仮想通貨公開)」について

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次に最近よく耳にするようになった「ICO」についてです。

ICOとは「Inicial Coin Offering(新規仮想通貨公開)」のことで、「Coin」つまり仮想通貨を公開して資金を調達することを意味します。

IPOは自社の株式を公開して資金調達しますが、ICOは自社が発行するCoin(仮想通貨)にて資金調達を行うのです。

ICOにて企業が発行するCoin(仮想通貨)は「トークン」と呼ばれています。

例えば、起業したてのIT企業が有力なビジネス案件と人材は揃っているものの、資金がなく、審査が厳しくハードルが高いIPOを行うのは無理といったケースがあります。

その場合、この会社が自社のビジネス計画をネット上で投資家に説明、その事業内容に将来性を感じた投資家が、ビットコインなどの仮想通貨で投資し、事業者は対価として「トークン」と呼ばれる自社で発行する仮想通貨を渡すのです。

ICOを行う会社は出資してもらったビットコインを換金することで資金調達することができ、投資家はICOを行った会社のトークンが値上がりすることで、キャピタルゲインを狙うことができます。

またICO企業のサービスを優先的に利用できるといった権利も付与されることがあります。

実際に海外では有望なICO案件で1日に何百億円もの資金を調達するケースがある一方、詐欺などで出資したお金(仮想通貨)が戻ってこなくなるケースもあり、そのハードルの低さを利用して詐欺行為を行う会社も出てきています。

日本企業でもICOを行う企業が出てきており、仮想通貨取引所の「QUOINEX」が海外でICOを行うことを先日発表しました。詳細はこちらをご参照。

QUOINEXの場合、仮想通貨交換業者として金融庁の審査を得て登録されている業者で信用力は高いものの、今後突然パッと出てきたような会社がICOを行う場合は、最低限、その会社がしっかりとしたビジネスを行ってきた実績と経営陣の経歴、さらに「ホワイトペーパー」と呼ばれる事業計画書を念密に確認する必要があります。

ICOは新しい資金調達のスキームであり、金融機関から借りたりIPOを行うよりもハードルが比較的低いため、今後ベンチャー企業などが積極的に実施することが考えられます。

しかし投資する際にはハイリスクハイリターンであることを認識し、投資をする場合は少額にて行い、間違っても生活資金を全て注ぎ込んでというようなことがないようにしましょう。

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